今回はパパママがお子さんの口腔ケアで一番苦労する「歯磨きを嫌がる赤ちゃんや子供の歯みがき」について、私の経験を交えながらお話ししていきます。
お子さんにピッタリの方法がみつかるかもしれませんよ。
歯みがきを楽にする種まきは歯が生える前から
歯磨きを嫌がる赤ちゃんやお子さんの歯を磨くことはパパママにとっても重労働ですよね?
泣いて暴れるわが子を見るとげんなり・・・。
無理に磨いて歯磨きが嫌になっても困るし、泣き叫ぶわが子を見ると可哀そうに思えてきたり、体力も使います。
かなりストレスを感じることも多いのではないでしょうか?
そんな歯磨きを少しでも楽に出来たらと思います!
お子さんによって様々ですので、この方法で磨けばみんな大丈夫というものはありません。
いくつかポイントを紹介しますのでお子さんに合った方法をみつける参考にしてくださいね。
歯が生える前からお口の周りや中を触られることに慣れておく

この時期はお口の中を触られることに不快感を感じて嫌がることがほとんどです。
歯が生えてきていきなりブラシを使おうとすると不快感も強く嫌がる可能性が高いので、歯が生える前からお口の周りや中をさわることからはじめておくと良いですね!

はじめはほっぺたをちょんちょん触ってあげたり、
お口のまわりに触れるところからはじめよう。

コツとかあるの?

ママとの楽しいスキンシップだと思ってもらえるように
優しく安心するような声かけをしながら楽しんで♪
触られることに慣れてきたら清潔なガーゼを指に巻き、お口の中を優しく拭ってあげるのも効果的です。授乳後に行うとお口の中も清潔に維持できて一石二鳥です。
6~7か月くらいになると下の前歯が生えてきますので(個人差がかなりありますので早い子も遅い子もいます)その頃から赤ちゃん用の柔らかい歯ブラシをお口にいれることに慣れていきましょう。
この時期は歯固めも積極的に使用すると良いです。
最初は歯ブラシを噛んでしまったりで、なかなか磨けないかもしれませんが慣れることが目的ですのであまり神経質にならないようにゆったりした気持ちで磨くようにしましょう。
1歳~3歳 イヤイヤ期を乗り切るポイントや工夫

この時期は「感染の窓」といって、パパママから虫歯菌がうつる可能性が高い時期になります。しかも、イヤイヤ期で歯磨きが難しいという悩みも増えてきます。
まずは、パパママのお口を清潔に保つことや同じ食器を使わないようにするなど虫歯菌が赤ちゃんに移らないように気を付けましょう。
▼『感染の窓』についてはコチラ
歯磨きを嫌がったり、暴れたりするとパパママもイライラしてしまうことが多いこの時期。赤ちゃんや小さい子供は「何が嫌なのか」を明確には伝えることができません。
嫌がる理由が分からないので、何をどう工夫していいのか悩ましいところ。
いくつかポイントや工夫をご紹介しますので、お子さまに合った方法を探すヒントにしてください。
実はパパママが原因のことも!?表情や力加減に気を付けて!

お子さんが泣いたり暴れて思うように磨けないとイライラしたり、「きれいに磨かなきゃ!」という焦りから真剣になりすぎて表情が怖くなっていませんか?
歯磨きの時、子供はパパやママの顔を下から見上げる体勢にになります。
イラついたり、真剣になりすぎて眉間にしわが寄っていたりすると、とても怖く見えている可能性があります。
離乳が進み、色々なものを食べるようになりますので、きれいに歯磨きすることはもちろん大切なのですが、1日1回磨ければ大丈夫です。歯磨きよりもできるだけお菓子のスタートを遅らせる、時間を決めてダラダラ食べないようにするなど食事やお菓子、飲み物の取り方を気を付けるようにしましょう。
すでに甘い物を覚えてしまっている場合は「キシリトール100%」のお菓子が有効です。キシリトールは虫歯の原因にならないので歯磨きをがんばった時のご褒美としてあげても問題ありません。
▼キシリトールについてはコチラを参考にしてください(前運営:まるさんの記事)
そして、同様に一生懸命になり力が入り過ぎて痛いということもあります。鉛筆を持つように軽く歯ブラシをもって優しく磨いてあげましょうね♪「痛くない?」と確認しながら磨いてあげるのも良いですね。

「ママの歯磨きは痛いから嫌!」という子供の声は歯医者で働いているとよく耳にするよ。
歯磨き粉やジェルはお気に入りの味でイヤイヤを半減させる
今は色々な味の歯磨き粉やジェルがありますので、子供の好きな味を選んであげるのもオススメの方法です。美味しいと感じられたら歯磨きを好きになってくれる可能性大です。
\泡立たないので磨きやすい!/
▼「うちの子に合ったフッ素量ってどれくらいだろう?」「フッ素の効果や副作用は?」と思った方はこちらも読んでみてください♪フッ素博士になれちゃいます。(前運営:まるさんの記事)
歯磨きが楽しくなるような絵本や動画の力をかりる
歯磨きを題材にした絵本を読み聞かせするのも効果的です。
今はYouTubeなどに歯磨きを促してくれるような動画もありますのでお子さまの好きなものを効果的に利用するのもひとつの方法です。
シュッシュやシャカシャカなどのセリフや歌をパパママが口ずさみながら磨いてあげると楽しい時間に変身です!
▼おすすめは「はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!」
\歯磨きが好きになったお子さん多数!!/
家族みんなが楽しく歯磨き!人形を使ってみるのもおすすめ

家族みんなで楽しく歯磨きしたり、お兄ちゃんやお姉ちゃんが仕上げ磨きしているところを見せるのも「歯磨きは怖くない」と印象付けるのに効果的です。
また、お気に入りの人形やぬいぐるみで「歯磨きごっこ」をするのもおすすめです。いつもは磨かれる側なので自分が磨く側になることで「嫌なもの」という感覚がやわらぐことがあります。
今はコロナの心配もあるので積極的におすすめはしませんが、私は自分の歯を子供に磨かせていました。やってもらう時は、喉の奥や鼻の穴に歯ブラシを突っ込まれないように気を付けてください。
注意ポイント!上唇小帯は知っていますか?

「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」は上唇と歯ぐきをつなぐ筋で上の前歯の真ん中にあります。(まれに歯と歯の間まで伸びているお子さんもいますので、その際は歯医者さんを受診しましょう。歯並びに影響する場合があります)
ここに歯ブラシが当たるとすごく痛いです。
気づかないうちに歯ブラシでひっかけたことが、子供にとっては「歯磨き=痛い」とインプットされている可能性もあります。
特にお子さんは敏感なので人差し指で抑えるなどして当たらないように気を付けてあげましょう!
イヤイヤ期を乗り切った我が家の方法

うちの子は赤ちゃんの頃からお口を触ることや歯ブラシに慣れさせていたこともあって、それほど苦労した記憶はありません。でも、子供なので気分によっては泣いたり暴れたりする日も当然ありました。そんな時、ひとつ「これは効果あったな」という方法があるのでご紹介します。

歯医者で虫歯の治療をするときに「虫バイキンとれたよ~」と言うと「見せて」という子供が多い!そして見せると納得することにヒントを得た方法だよ。
黒ゴマを「虫バイキン」に見立てる!
歯磨きが嫌で泣いている時には、まわりの声が聞こえていないことがあるので少し大げさにやってみてくださいね!
歯磨きが嫌で泣いている、口を開けてくれないときに一度試してみて欲しい方法です。
大げさな演技で子供の注意をひく!!
まずは一息ついて俳優モードに気持ちを切り替えてください。
切り替わったら「あっ!今、歯に虫バイキンいるのみえた!逃げちゃう逃げちゃう!」と少し慌てた感じで声をかけてみてください。この時点で少し泣き止んだらチャンスです。
「捕まえるからお口開けて~!」とすかさず言いましょう。
「奥に行っちゃったから、歯ブラシで追い出すよ~!一緒にがんばろうね♪」と声をかけたら「待て待て~」とか「あとちょっとで届きそう!もう少しお口開けて~」とか言いながら奥歯をシャカシャカと一気に磨きます。
「捕まえた!」と、あらかじめ仕込んでおいた黒ゴマを見せます。
大げさにほめる!!
ジーっと黒ゴマを見る、「これ虫バイキン?」と聞いてくるなど反応があると思いますので、
「やったー!○○がお口開けてくれたから虫バイキン捕まえられたね~!」とほめちぎる!
「他にもいないかな~」と言いながらササっと前歯も磨いて「うん!あとは大丈夫そう!」で終了。
深追いしない!!
ポイントはあんまり長い時間深追いしないこと
お口を開けてくれたからといって長々してしまうと「嫌」な印象のほうが強くなってしまうので「お口を開けたらすぐ虫バイキンをやっつけることができた!」という達成感を味わってもらうことが大切かなと思います!
毎回、黒ゴマで統一すると「黒ゴマ=虫バイキン」で認識され、しばらくは乗り越えられるかもしれませんね。
その間はお料理には白ゴマで・・・w
子供も自分もたくさん褒めて!
いかがでしたか?まだ試していない方法があったら一度チャレンジしてみてください。
そして、少しでもできたらお子さんはもちろんですが、自分自身に対しても「私がんばった!私すごい!」って褒めてあげてください!
嫌がる子供の歯磨きは歯科衛生士でも大変です。汗だくになるし、殴られたり、蹴られたり、頭突きされたり・・・本当に皆さん頑張っているなと思います。
そして、どんなに頑張っても、今回の記事を参考に色々試しても上手くいかないこともあります。子育てに100%正解の方法はありません。そんなときは絶対にひとりで抱え込まないでくださいね!
▼歯磨きは絶対にママがしなくちゃダメなんてことはありません!
子供の歯磨きがあなたにとって少しでも楽になったら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。