意外と知らない「舌」のこと!歯科歴25年越え【歯科衛生士ママ】が解説します!

子供の歯並び

こんにちは。DHまるです。

突然ですが皆さんは

「舌の役割は?」

と聞かれたら、なんて答えますか?

今回は知っているようで実はあまり知らない舌」のお話しです!

舌の大切な4つの役割なーんだ?

皆さんの口のど真ん中にどーーーーーーんっと鎮座しているその名も“舌(した)”

こんなに存在感があるのに、あまり知られていない「舌」にスポット当てて詳しくみていきます!

舌の4つの役割
  • 味を感じる
  • 噛んだり、飲み込んだりを助ける
  • 発音
  • 歯並びを整える

味覚

舌の役割の代表!

「味覚」

これがあるから美味しく食事ができますよね!

口の中には「味蕾(みらい)」と呼ばれるセンサーがたくさんあります。

味蕾は唇や頬の内側にもありますが、

そのほとんどが舌にあることが分かっています。

味蕾は

👅甘味

👅苦味

👅酸味

👅塩味

👅旨味

などを感じることができます。

そして、これらの味が複雑に混ざり合って色々な「美味しさ」を楽しむことができます♪

味蕾は子どもで10,000個、成長とともに減っていき大人で7,500個くらいになります。

噛んで飲み込むを助ける

舌は口の中に入った食べ物を受け取り、温度や味、食感などを感じ取ります。

そして、噛みやすいように

食べ物を上下の歯の間に運んだり、うまく噛めるように食べ物を支えます。

食べ物と唾液を混ぜ合わせ、飲み込みやすい状態になったら

その食べ物を食道に送り込みます。

食べている時、舌はフル稼働ですね!

舌の力や機能が落ちると上手に飲み込めなくなるのはこのためです。

発音を助ける

話すときも舌はとても大切です。

言葉が口から出てくる時は、

声帯が発した空気の振動を口の中で共鳴させることによって色々な音になって出てきます。

この時、舌は柔軟に動いて共鳴するための形を作ります。

特に「か行・さ行・た行・な行・や行・ら行」は、舌の役割が大きく関わっています。

舌っ足らずな発音は舌小帯(舌の裏側のすじ)が短いかもしれません。

▼口腔機能発達不全症の可能性もありますので、チェックしてみましょう。

歯並びを整える

歯は唇の力と舌の力の中間に並びます。

歯を内側から支えている舌の力が弱かったり、正しい動きができないと

歯並びや顎の成長にも悪い影響を与えます。

何もしていない時や物を飲み込む時

舌の先はどこにあるか意識してみてください。

「スポット」と呼ばれる上の前歯の少し後ろに付いているようであれば問題ありません😉

舌がスポットについていない場合は「低位舌(ていいぜつ)」と言って

指しゃぶりや口呼吸などの影響で舌の定位置が下がっている状態です。

低位舌になると飲み込む時にスポットではなく

前歯を強く押して飲み込むので

前歯がかみ合わなくなったり、

歯並びが乱れる原因になります

舌が白い!これって病気?

赤ちゃんやお子さんの舌を何気なく見たときに白くてビックリした経験はありませんか?

パパママさんも自分の舌が白くて気になっている方もいるかもしれません。

ピンク色のはずの舌が白いと「何かの病気かな?」と心配になったりします。

白くなる原因や病気かどうかの見分け方など詳しくお話ししますね!

赤ちゃんや子どもの舌が白い!

赤ちゃんやお子さんの舌が白いと「うちの子だけ?」と

不安になるかもしれませんが決して珍しいことではありません。

ただ、病気の可能性もありますので見分け方や対処の方法などまとめていきますね!

舌苔(ぜったい)

舌の表面は真っ平ではなく、小さな小さな突起物で覆われています。

その凸凹に食べたり飲んだりしたものの

カスや老廃物、細菌などが溜まって白くなります。

食べたものの色がついて黄色っぽくなったりすることもあります。

子どもでも大人でも誰でもなりうるものですが、

口の中が潤っていると唾液の自浄作用で洗い流されて

それほど気にならないと思います。

口が乾いていると細菌が増えやすいので

何らかの理由で口呼吸になっている時や唾液の量が減っている時などは

舌苔がたまりやすいです。

こんな人は舌苔がたまりやすい!
  • 口呼吸になっている時
  • 歯磨きが不十分で口の中が汚れている
  • 唾液が減っている時
  • 薬を飲んでいる時
  • 舌の形や表面の凸凹が大きい方
  • 受け口(反対咬合)の方

▼大人や2歳以上のお子さんで口腔乾燥が気になるときはキシリトールガムがおススメ

舌苔は病気ではないので、すぐに何か処置が必要なわけではありませんが、

口臭などの原因になりますので溜まっているようであればケアしてあげましょう。

マウスウォッシュを使う時はアルコールが入っているとお口の乾燥がひどくなることもあります。

アルコールが入っていないマウスウォッシュがおススメです。

今なら100円でお試しできます。

大人の方で舌にひび割れ、亀裂がみられる場合は乾燥が原因のこともあります。

その場合も保湿剤やノンアルコールのマウスウォッシュで舌を潤すようにしましょう。

▼舌苔だけでなく「ニオイ」も気になる方はこちらも参考にしてください

▼口臭におススメのサプリメントはこちら

赤ちゃんは母乳やミルクを頻繁に飲むので

そのカスが付着して白くなっていることもあります。

その場合、唾液に流されて自然に流れていくようであれば特に何もしなくて良いです。

気になるときは濡らした清潔なガーゼで奥から手前に優しく拭います

溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)

溶連菌に感染した場合も舌が白い苔で覆われたようになります。

その後、発症から3日くらいで舌の表面がイチゴのように赤くブツブツにになります。

いちご舌と言われていますね!

喉に痛みや赤い腫れがみられ、39度前後の高熱が出ます。

お薬をしっかり飲めば1週間程度でのどの痛みなどもなくなるようです。

カンジダ症

カンジダ症は鵞口瘡(がこうそう)とも呼ばれ

口の中にカンジダというカビが増殖する病気です。

舌や頬の粘膜などにミルクのカスのような白いまだらな苔のようなものが点状や帯状に付きます

そしてカンジダ症は新生児でもかかることがあります!

カンジダ菌は腸や膣で増殖する菌なので

出産時に産道を通るときに感染したり、

カンジダ菌が付いたママの手指、乳首、哺乳瓶などから感染することもあります。

それ以外ではステロイドなどの薬の使用時や

免疫力が落ちている時に感染しやすくなります

ミルクのカスとの違いは拭いても取れにくいことです。

また、取れた部分の粘膜がただれたように赤いのも特徴です。

無理に取ろうとすると粘膜を傷つけてしまいますのでやめましょう。

治療には抗真菌薬が使われますが赤ちゃんの場合は

栄養が取れるようであれば自然治癒を待つこともありますよ。

再発しやすいので治った後もよく口の中を観察ししてあげましょうね!

地図上舌(ちずじょうぜつ)

地図上舌は舌の表面が白い縁の赤いままだら模様になるのが特徴です。

良性移動性舌炎とも呼ばれていて移動性という言葉の通り

大きさや形を変えながら舌全体に広がります。

子どもにできやすく6歳くらいのお子さんの15%くらいにみられる症状です。

不快感や違和感はありますが痛みなどはありません。

過敏になっているので刺激物は避けた方がよいと思います。

今のところ原因ははっきりしていませんが

風邪などで免疫が低下している時

ミネラル分の不足、ビタミンB2やB6の不足などが原因といわれています。

ほとんどは数日で自然に治りますので、しっかり食べてよく寝て様子をみましょう。

舌が白い原因の見分け方と対処法

治療の必要がない場合もありますが、気になるときは「小児科」の受診をおすすめします。

お子さんの様子や舌をよく見る

溶連菌やカンジダ菌などの感染症は風邪などで免疫が低下している時にかかりやすいです。

口の中だけでなく、熱はないか、元気はあるか、食欲はあるか、体にもブツブツなどないか

よく観察しましょう。

全身の状態に問題がなく舌が白い場合は、母乳やミルクのカスまたは舌苔の可能性が高いです。

また、地図上舌はまだら模様の部分は

舌の表面の突起がなくツルっとした感じになっています。

濡らしたガーゼで拭ってみる

全身状態に問題が無くて、舌や上顎、頬の粘膜など口の中に

白いカスや苔のようなものが付いている場合は

濡らしたガーゼや綿棒で優しく拭ってみましょう。

「取れる」ようであれば、母乳やミルクのカスまたは舌苔。

「取れにくい」または「取れたけどカス状のものが付いていた部分が赤い」場合は

カンジダ症の可能性もあります。

こんな時は小児科へ

舌がいつもと違う以外に熱があったり食欲がない場合はまず小児科を受診しましょう。

その際、舌の状態も伝え診察してもらうようにしてください。

口の中なので歯医者かな?と思うかもしれませんが

口腔外科や小児科の受診をすすめられることのほうが多いかと思います。

心配しすぎず判断に迷ったら小児科へ!

舌苔であれば特に治療の必要はありません。

ただ、舌に何かしらの症状が現れた時は免疫がさがっていることが多いです。

口の中を清潔に保つのはもちろんですが、

栄養のある食事や、早寝早起きなど規則正しい生活を心がけてあげましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました