皆さんフッ素はご存じですか?
今は市販のほとんどの歯磨き粉に入っていて耳にする機会も多いかなと思います。
「虫歯予防に効果的」という良いイメージもあれば「体に悪いのでは?」というあまり良くないイメージもあるのがフッ素かなと思います。
言葉は知っているけど、詳しいことは分からないというパパママさんのために「フッ素」についてまとめてみたいと思います。
フッ素入りの歯磨き粉は、厚生労働省が許可した効果や効能に有効な薬用成分が一定の濃度で配合されている、医薬部外品に分類されます。

フッ素の効果的な使い方も大公開!
それではフッ素について一緒にみていきましょう!
フッ素って何?体に害はないの?
フッ素は自然界にも存在していて、食品や私たちの体内にもある成分です。
フッ素の4つの効果
1,再石灰化の促進
2,再石灰化の際にフルオロアパタイトを生成し、より酸に強い歯質になる
3,酸の産生を抑制する
4,抗菌作用がある

再石灰化って何?
食事などでお口の中が酸性に傾くと歯の表面のミネラル(カルシウムやリン酸)が唾液中に溶け出ます。そのため、大げさに言うと軽い虫歯のような柔らかい状態になり、これを脱灰(だっかい)と言います。
酸性に傾いたお口の中は40分程度かけて唾液が中和して元の中性に戻りますが、その時に唾液中に溶け出たカルシウムやリン酸がまた歯に取り込まれ、元の硬い状態に戻ります。それが再石灰化(さいせっかいか)です。
つまり食事のたびに脱灰と再石灰化が繰り返されていて、その過程で脱灰のほうにウエイトが傾くと虫歯になります。


フッ素が唾液中に含まれていると、再石灰化が促進されるよ!
さらにフッ素が唾液中のカルシウムなどと反応して酸に溶けにくい物質(フルオロアパタイト)を作り、歯の表面がコーティングされたような状態になります。すると虫歯菌が酸を出しても歯が溶けにくくなるというわけです。
フッ素は危険?
ネットなどでフッ素を調べると「フッ素 危険」などがすぐに出てきます。
実際に自分や家族が口にいれるものですし、心配ですよね?
歯科医院でのフッ素塗布や歯磨き粉などに含まれているいわゆる「フッ素」ですが、正式には「フッ化物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど)」で、体によくないのは「フッ化水素」←これは劇薬です!
ですので、歯磨き粉や歯科医院で扱うフッ素はかなりの過剰摂取をしない限りは、人体に害はありません。
ただし、小さい子どもは飲み込んでしまう可能性や歯が白くまだらになる斑状歯(はんじょうし)になってしまうことがあるため、日本のメーカーでは高濃度フッ素の歯みがき粉の使用は6歳以上、それ以下の年齢では低濃度フッ素の子ども用を推奨しています。

歯医者で塗るフッ素はさらに濃度が高いよ。
Q.過剰摂取ってどれくらい?
フッ素は一度に過剰に摂取したり、長期間に渡って大量に摂取し続けたりすると、悪心・おう吐や、歯や骨に異常が出るなどの中毒症状が起こることが報告されています。(日本では現在、水道水にフッ素を入れることを推奨していませんので長期にわたって摂取する慢性中毒はないと思われます)
アメリカの医学研究所が1997年に発表した摂取許容量は9歳以上で1日10mgとなっています。
これに対し、歯みがき粉2cm(約1g)に含まれるフッ素の量は、およそ1mgで、口に入れたフッ素のほとんどは吐き出されるため、フッ素による悪影響は出ないというのが専門家の見解だそうです。

また、歯医者で行うフッ素塗布も、歯面にフッ素入りのジェルを塗り余分なフッ素は吐き出すので、中毒症状が現れることはまずありません。身体の中に取り込む「摂取」と「塗布」は違うということですね!
また、食べ物や飲み物などに入っているのは大丈夫なの?と思うかもしれませんが普段の微量なフッ素の摂取は問題はありません。
フッ素は90%胃や腸で吸収され、その内のまた90%は排泄され体内に残る量はかなり少なくなります。

結局、どんだけ摂取したら中毒になるの?

40人分のフッ化洗口液を一度に飲んだらなるよ。
どの程度摂取すると急性中毒になってしまうかというと、5才児(体重18kg)がフッ化洗口液(うがい薬)0.05%フッ化ナトリウム溶液を40人分を一度に飲んだ場合だそうです。
出典:厚生労働省 フッ化物の急性中毒量 e-ヘルスネット
40人分のフッ化洗口液を一度に飲むことは考えにくいので過度に心配する必要ないと思いますが、保管には気を付けてくださいね!
フッ素の効果的な使い方

ご家庭で使えるフッ素は歯磨き粉やジェル、スプレーなど様々なものがあります。使いやすいものや好きな味など気に入ったもので構いませんが、先にお話ししたように濃度は年齢に合ったものを選ぶようにしましょう。
▼おすすめのフッ素をまとめています。フッ素濃度も書いてますので参考にしてくださいね♪
フッ素は毎日コツコツと使うと一番効果的
結論から言うとフッ素は「ご家庭で使える低濃度のフッ素を毎日使ってあげる」のが一番効果的です。
ご家庭で使える歯磨き粉などはフッ素の濃度が100ppm~最大1450ppmとなっています。
年齢に合わせた濃度のフッ素を使用してほしいのですが最大のポイントは「毎日使う」ということです。フッ素を毎日使うことで、少しづつ歯にミネラル分が蓄積されて徐々に歯が強くなっていきます。
一回使ったからといって、すぐ歯が強くなるわけではありません。コツコツと歯にミネラル分を貯めていくイメージです。

うちの子は歯医者でたまにフッ素してるから・・・

うん!いいね!でも、低濃度のフッ素を毎日使ってあげる方が効果的だよ!

えっ!?じゃ、歯医者でのフッ素塗布は意味がないの?

そんなことは無いよ!!
お家で使うフッ素がメインで、歯医者のフッ素はサブ。
併用するのがおすすめだよ。
歯医者で高濃度のフッ素を併用
歯科医院で塗布するフッ素と一般に販売されているフッ素の大きな違いは濃度です。
歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が塗布するフッ素は9000pp以上なので、市販されている歯磨き粉の約6~10倍以上の濃度になります。
こちらは使用するフッ素にもよりますが年に1~3回の塗布が推奨されています。定期検診や定期メインテナンスも3~4か月毎が理想的なので、そのタイミングで一緒に塗布してもらうと良いですね!
こちらはあくまで、普段使用しているフッ素を補うようなイメージになります。メインはあくまで毎日使う低濃度(100~1450ppm)のフッ素になります。
正しく使わないと効果なし!フッ素の使い方とは?

歯科医院でフッ素塗布をすると必ず「〇分はうがいや飲食しないでくださいね」と指示があると思いますので守りましょう。
フッ素を長くお口の中に留めておくことで、ミネラル分が歯に浸透しやすくなります。
これはご家庭でフッ素を使用するときも同様ですので、フッ素を効果的に使うためのポイントをご紹介します。
▼ご自身やお子様に合ったフッ素を探している方はこちらを参考にしてください
何となく子供に使うイメージの強いフッ素ですが、大人にも効果がありますのでぜひ日常に取り入れてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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