こんにちは。まるです。
みなさんは自分やお子さんの歯磨きで気を付けていることはありますか?
磨く時間の長さやタイミング、歯ブラシの当て方、動かし方や力加減、なかにはただ磨いているだけという方もいるかもしれません。
そして、インターネットや歯科情報誌を見ても歯科医師や歯科衛生士によって重点を置いているところや推奨する方法が色々あります!
「結局どうしたらいいの?」「何が正解なの?」と思っている方も多いのではないでしょうか?
結論からいうと「自分の口や歯の状態に合わせた歯磨きを知り、それを実行できているか」が大切です。
例えば歯磨きの技術は同じくらいの二人が、同じ歯ブラシで「3分歯磨きをする」とします。
Aさんは歯並びがきれいで、Bさんは歯が重なったり曲がったりしているところがあるとしましょう。
歯磨き時間は同じ3分です。AさんもBさんもきれいに磨けたでしょうか?
「Aさんは磨けてそうだけど、Bさんは磨き残しがありそうだな」と思ったんじゃないでしょうか?

どうしてそう思ったのかな?

歯並びが悪いと汚れが残りやすいし、歯ブラシも当たりにくいよね?

正解!同じ3分でもある程度磨ける人もいるし、3分じゃ難しいなという人もいます
つまり、一部分だけを切り取って、それが誰にでも当てはまるかというとそうでは無いんです。
人それぞれに適した磨き方や気を付けるポイントがあります。
では、「皆さんは自分やお子さんの歯磨きポイントや適した磨き方を知っていますか?」
そう聞かれたとき自信をもって答えられる方、そして、それが正しい方は少ないと思います。
今回は歯磨きのあれこれを日本と世界で比較してみていきたいと思います。
そして、ご自身やお子さんに合った歯磨きを見つけてもらえたら嬉しいです。
世界の虫歯ランキング!日本は何位?

世界40か国で虫歯が多い国のランキングをみると、日本は35.5%で23位です。
1位はウクライナで58.7%、2位はカザフスタンとロシアで58.2%、3位はサウジアラビアの54.5%だそうです。日本は40か国中23位なので中間くらいで決して虫歯の少ない国とは言えません。
そして最下位はスウェーデンで12.6%です。
日本の半分以下ですね😅素晴らしい!!(出典:なんでもワールドランキング)
口臭、気になりませんか?

お子さんやご自身、パートナーの口臭が気になる方はいませんか?
コロナ渦でマスク生活が続き、今まで気にしていなかった口臭が気になる方も増えたように思います。
口臭について日本・アメリカ・ドイツの3か国で調査したところ
自身の口臭に「とても自信がある」「やや自信がある」と答えた日本人は19.0%なのに対して、アメリカは68.0%、ドイツは79.0%と大差があるようです。(出典:パナソニック株式会社 2021年6月インターネット調査結果より)
また、在日外国人の72%が「日本人の口臭にがっかりした経験がある」(オーラルプロテクトコンソーシアム調べより)と解答。
さらにパナソニック株式会社が2017年に行った調査では72%のビジネスパーソンが「他人の口臭が気になったことがある」と解答したそうです。
さらに、子供の口臭に悩んでいるパパママさんもたくさんいます。
▼口臭が気になる方はコチラも参考にしてください
歯磨きの時間が一番長い国はどこ?
皆さんは歯磨きにどれくらい時間をかけていますか?
私が小さい頃はよく「3分磨きましょう」って歯医者さんで言われていました。いやいや、それじゃぜんぜん足りないよという人もいれば、時間よりも歯磨きの質つまり「汚れが落とせているか」が大事で、時間はあまり気にしなくていいよという人もいます。
では、世界と比べてみるとどうでしょうか?
世界40か国で比較したところ何と6.4分で日本が第一位だそうです。
歯磨きは頑張ってるのにどうして?
今までの調査結果をみると日本は「歯磨きの時間は長いのに虫歯は多いし、口も臭い」という何とも残念な結果になってます😱
そして、成人の口臭の主な原因は歯周病ですので最近TVやCMでも見かける日本人の8割が歯周病というのもうなずけます。
実際、歯科医院で務めていると「毎日歯磨きしているのに虫歯(歯周病)だって・・・」「歯磨きしてるのに家族に口が臭いって言われる」という言葉は本当によく耳にします。
せっかく歯磨きしてるのに虫歯や歯周病、口臭などの悩みが消えないのはどうしてだと思いますか?
歯医者でのメンテナンス率

一番の違いは「定期的に歯医者でメンテナンスを受けているか」だと思います。
最初に虫歯が一番少ない国はスウェーデンという結果がありましたが、スウェーデンでは定期的に歯医者で検診やメンテナンスを受けている国民が80%で子供に関しては100%です。
それに対して日本は10%程度・・・この差は非常に大きいです。
普段の歯磨きやセルフケアで取り切れない汚れを取ったり、自分やお子さんに合った歯磨きができているかチェックしてもらったり、教えてもらったりという海外では当たり前のことが日本ではあまり浸透していないという現実があります。
スウェーデンは予防歯科の先進国として知られています。そんな スウェーデンですが、かつては日本より多くの人が 虫歯や歯周病で歯を失っていました。
そんな状況を一変させたのが、1970年代に行われた歯科医療の改革です。
歯科医療のあり方を根底から変え、世界の手本となったスウェーデンスタイル。スウェーデンはどのような取り組みで予防歯科を成功したのか日本と比較してみます!
1,予防歯科に対する考えの違い
スウェーデンでは、1970年代に国を挙げて歯科医療の大改革が行われました。虫歯予防にはセルフケアとプロケアの両方が重要であることが 調査により明らかとなり、20歳まで歯医者での検診・治療ともに無料で受けられるようになりました。
歯医者に行くと、どうやって歯を磨いたらいいか、寝る前にどういうケアをしたらいいか、どうして歯医者に来ないといけないのかなど子供のときから指導をうけてます。
子どもの時から歯の健診が当たり前のこととしてとらえられ、歯の健康づくりが生活習慣として定着しているのです。
予防歯科が大切であると思う人は日本とスウェーデンどちらも70%以上です。
しかし、実際に予防のために歯科受診している人はスウェーデンでは70%、日本では10%と大差があります。
2,歯医者に対する意識の違い
スウェーデンの人は歯が悪くならないように歯医者へ行きます。 しかし、日本人は歯が悪くなってから歯医者へ行く人がほとんどです。 私が患者さんからよく聞くのが「年をとれば歯を失うのは仕方がない」という言葉です。スウェーデンでも以前は日本と同じでしたが今は違います。
70才で自分の歯が何本残っているかの平均値を比較してみましょう。日本では16.5本ですが、「予防歯科」を実践してきたスウェーデンでは21本と、大きな開きがあります。(親知らずを除いた成人の歯の本数は28本ですよ😊)そして、総入れ歯の人はほとんどいないそうです。
3,口腔ケアの取り組みの違い
皆さんはデンタルフロスやデンタルリンスを使っていますか?また、フッ素やキシリトールはどうですか? 日本とスウェーデンでは、口腔ケアの取り組みに違いがあります。 日本では歯磨きは一生懸命ですが、歯と歯の間をきれいにするために補助的な道具を使用したり、虫歯予防に効果的なフッ素やキシリトールをほとんどの方が活用できていません。 スウェーデンではデンタルフロスやデンタルリンスを併用して歯磨きをしています。
自己流の口腔ケア
2013年にライオンが『歯科医院でオーラルケアに関する指導を受けたことがありますか?どこでうけましたか?』という調査を行った結果・・・
自宅でのオーラルケア方法は、欧米では半数以上が「歯科医師から得た情報を参考としている」(アメリカ:51.3%、スウェーデン:61.3%)のに対して
、日本は30.8%で「特に、どの情報も参考にしていない(自己流)41.3%」が最多でした。
特にスウェーデンでは7割が歯科医院でデンタルフロスの使い方まで指導を受けた経験があるそうですよ!
デンタルフロスや歯間ブラシの使い方までとなると日本は6割が自己流です!
つまり歯磨きにしろ、歯間のケアにしろ半数くらいは自己流でケアしているのが日本です。
そのうち正しい歯磨きができているのは約10%しかいないとも言われています。
いつまで手用の歯ブラシ1本?

デンタルフロスの使用率は、口腔ケアや予防に対する意識が高い欧米では半数以上(アメリカ:60.2%、スウェーデン:51.3%)に対し、日本は19.4%とこれまた低い結果となっています。
ただ、近年は30代以降の女性は40~50%くらい使用しているという調査結果もあるので、日本も少しづつ意識が高まってきていると言えます。
また、「現在の歯の状態は歯科医師から見た場合に何点をつけられると思うか」を、100点満点で調査した結果デンタルフロスの使用者は、3カ国いずれもデンタルフロス非使用者に比べて5点以上の差がありました。
つまり、デンタルフロスの使用者の方が、自分の歯の状態に対して自信を持っているということですね
さらに、日本で「予防歯科にどの程度取り組んでいるか」聞いたところ、デンタルフロス使用者(50.5%)と非使用者(20.3%)の間に大きな差がみられたことから、デンタルフロスの使用を通じて「予防歯科」を実践していると意識している人が多いと考えられるとのことです。
デンタルフロス使用者の割合
日本 :19.4%
アメリカ :60.2%
スウェーデン:51.3%
フロスのについてはこちらにまとめてます▼
▼「フロアフロス」ダントツで使いやすいです!詰め替えできるところも気に入ってます👍
口腔ケア用品にかける金額
口腔ケア用品の購入や歯科通院、クリーニング・ホワイトニングなどのメンテナンス費など、口腔ケアのための商品やサービスに対して使う年間のお金について、パナソニック株式会社が調査した結果がこちら。
最も多い金額帯(出典:2021年6月パナソニック株式会社オーラルケアへの意識実態調査)
日本では「3,000円未満」が37.0%
アメリカでは「3,000円以上~5,000円未満」が25.0%
ドイツでは「5,000円以上~10,000円未満」が26.0%
日本は口腔ケアへの投資額が最下位であることが判明したそうです。
▲おすすめの電動歯ブラシ「ソニッケアー」海外では電動歯ブラシを使用している方が多いですよ!
フッ素をうまく活用できていない
皆さんはフッ素を知っていますか?歯磨き粉などに入っていたり、歯科医院で塗布してもらうこともありますよね?フッ素は虫歯予防にとても有効なのでぜひ上手に使っていただきたいです!
●エナメル質の修復を促進・・・酸歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。
●歯の質を強化・・・歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、虫歯への抵抗力を高めます。
●菌の働きを弱める・・・虫歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。
1995年にスウェーデンの歯科医師たちは【イエテボリ テクニック】と呼ばれる新たな歯みがき法を発表しました。※イエテボリ テクニックの対象年齢は12歳以上
通常の歯みがき方法と比べて虫歯の予防作用が40%以上高いことが実験により実証されているそうです。
スウェーデン式歯磨き【イエテボリ テクニック】
<ポイント1>
フッ素配合の歯みがき粉をたっぷりと使う(目安は2cm)
<ポイント2>
歯全体に歯みがき粉が行き渡るように意識して2~3分程度歯みがきを行う
<ポイント3>
口の中の泡を吐き出したあと、口をゆすがない
ゆすぎたい場合は水を少量(大さじ1程度の水)にして、軽く1回ゆすぐ程度にする
最も口内のフッ素濃度が高いのは歯磨きをした直後で、口をゆすぐ回数と比例して減少します。その後、歯の汚れや食べかすを洗い流す唾液の自浄作用によって、さらに口内のフッ素濃度は低下していきます。
スウェーデン式歯磨きはブラッシングのあとに口をゆすがないため、通常の歯磨き方法と比べてフッ素が口に残りやすく、再石灰化の促進、歯質強化、虫歯菌の活動抑制の3つの効果により、高い虫歯予防効果が期待できます。
<ポイント4>
歯みがきのあと、2時間飲食をしない(最低でも30分)
食べたり飲んだりしてしまうと一緒にフッ素も流れてしまいます。フッ素が歯に取り込まれるまで置きたいので最低30分は我慢ですよ😆
スウェーデン式歯磨きについては2019年にNHK「ガッテン」でも紹介されています!

フッ素は体に良くない、危険性があるって聞いたことがあるけど実際どうなの?

歯磨き粉に入っているフッ素は、フッ素そのものではなく、厳密には「フッ化物」というものです。フッ素ほどの毒性はなく、歯磨き粉に入っているくらいの容量では、体にとって危険を及ぼすことはないと言われていますよ。ただし、小さい子どもは飲み込んでしまう可能性があるので、日本のメーカーでは高濃度フッ素の歯みがき粉の使用は6歳以上、それ以下の年齢では低濃度フッ素の子ども用を推奨しています。

でも、イエテボリ テクニックは12歳以上が対象ですよね?危険だからじゃないの?

体への影響は問題ないとされていますが、フッ素は歯の成長期に過剰摂取すると、歯がまだら模様になる斑状歯(はんじょうし)になるリスクがあるからです。
年齢に合わせた濃度のフッ素入り歯磨き粉やジェルを上手に活用できると虫歯予防にとても効果的ですよ😊
フッ素について詳しく知りたい方はここちらもどうぞ▼
キシリトールの活用
スウェーデンなど北欧では子どもから大人まで、食後にキシリトールガムを噛みます。キシリトールは天然の甘味料なので糖分が入っていません。虫歯菌はキシリトールが口の中に入ってくると糖と間違えて取り込み、繁殖できずに減少していくのです。
また、食後にキシリトールガムを噛むと食べカスや歯垢が剥がれやすくなり、その後の歯みがきの効果がアップします。
キシリトールの効果についてはこちらを見てください👇
健康のため、そしてグローバルな未来のために!
日本は衛生的できれいなイメージがあるのに「歯が汚い、口がくさい」ことが他の国からはとても不思議にみえるようです。
そして、実際きたないので反論できないです・・・😢TVで日本を代表する方々が海外の同じ立場の方と並んでいると恥ずかしくなります。
「先進国の中で最低の口腔意識」と揶揄される背景には様々な原因(保険制度やスキンシップなど)がありますが、一人一人が意識して自己管理していくことも大切だと思います。
パパママさんが自分の口をきれいに維持し、お子さんも予防のために歯科に定期的に通うようになると、だんだんとそれが当たり前になっていきます。

英語の授業が小学校からになったり、子供たちは海外へ飛び出していく機会がきっとたくさんありますよね?英語を習っているお子さんも多いと思います。
「自分は苦手だけど子供には海外でも活躍できるように英語を身につけてもらいたい」と思っているパパママさんもたくさんいるでしょう。
でも、海外では口元の印象はとても重要です。
仕事ができない、自己管理ができてないと思われてしまうこともあります。
せっかく英語が話せるようになっても口元でマイナスのイメージを持たれてしまったり、自分がコンプレックスに感じて積極的になれないとしたらもったいないですよね?
歯磨きの時間は世界一の日本なら少し意識をかえるだけでスウェーデンにも負けない「口や歯のきれいな国」になれると思います!
そうなっていくと良いなと心から思います。
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